テンプルハヤオは怠けたい

楽するためにストイックになってしまったFXトレーダーのブログ

消費社会は幸せなのか

最近、何かを考え出したり工夫することが楽しい。

モノを買う前に、身近な素材で代替できないか、自作できないか考えることが多くなった。

 

当たり前だけど自分の中では新鮮な気づき

 

使う人間がいれば作る人間がいる。

そして作る人間は自分でもいいし、その気になればなんだって作れる。

 

なんだか小学校くらいまでは当たり前のように感じていたことが成長するにつれて消滅していったような、、、

消費に溺れた理由を考えてみた

①なんでも手に入った

出来合いの服、出来合いのゲーム、スパイク、携帯、、、、

仕方ないのかもしれないが流行を追う事に忙しかった。またそれが比較的簡単に手に入ってしまったため、代用品や創作する気など起こるハズもない

 

中毒のように、時間があればショッピングサイトとにらめっこをしていた

既製品からコスパの良いものを選択する目は養われたが、あの頃は安けりゃよし。縫製の良し悪し、素材の良し悪しなんて分からなかった。

 

②モノづくりが遠い存在になっていった

職住分離

両親はいわばサラリーマン。外に働きに出て給料を貰って生活する生活。

今でも親が会社でなにをしているのか全く知らないし、プライベートでもモノを作ることは皆無。

仮に実家が自営業なら、創意工夫をしながらお金を稼ぎ暮らしていく親の姿に学ぶこともあったろう。商品を作るのはもちろん、店の模様替えをしたり修理したりとモノを作る機会も潤沢にあったと想像する。

 

おわりに

お金を払っただけで手に入る消費は中毒性が強い。

一つ手に入ればまた別の物が欲しくなる

 

歯止めをかけるにはモノを作る楽しさに気づくことだと考えるようになった。

20代後半、残りの人生架けて、次の世代にモノを作り出す姿勢を示せるような人間になりたいと願う。

【読書】14冊目 感想 『ウォッチメイカー』 

14冊目 『ウォッチメイカー』 著:ジェフリー・ディーヴァー

 概要

2つの殺人現場に残されていたアンティークの懐中時計。同じものが10個購入されたという情報が、、、。さらなる被害を抑えるために、天才鑑識&捜査官のコンビが奔走する話

 

読んでみて オススメ度★★☆☆☆ 売却

う~ん

ミステリ、特に洋物は殆ど読んでこなかったため、この作品がどのレベル感なのか判断しづらい部分があった。

 

三者視点で捜査側と犯人側が交互に見える形を取っているが、ミステリってこういうもの??両方の動きが見えているのでハラハラ感少ないし、偏った感情移入が難しい、、、

 

さらに読み始めてから知ったのだが、この小説はシリーズものらしく、中途半端なところから読み始めてしまっていたのだ。

そのため、物語としての背景が共有できておらず、人物像や関係の把握に苦労した

 

シリーズ最初から追う事が出来ていれば感想はまた違ったかもしれない

洋物ミステリは当分おなか一杯

【読書】14冊目 感想 『木漏れ日に泳ぐ魚』 

14冊目 『木漏れ日に泳ぐ魚』 著:恩田陸

 

木洩れ日に泳ぐ魚 (文春文庫)

木洩れ日に泳ぐ魚 (文春文庫)

 
 概要

初夏。なにもないアパートの一室。男女が共に過ごす最後の夜が幕を開ける。ある事件をきっかけに芽生えた不信感は、断片的に繋がる記憶をきっかけに、やがて違和感へと変わっていく。夜明けとともに浮かび上がる真実とは

 

読んでみて オススメ度★★★★☆

非常に感想に困る。

メインテーマをここで書くとネタバレになってしまうからだ。

 

当たり障りのない感想になるが、

作品通して、場の空気感がすごく良く伝わってくる。スゥと引き込まれる感覚が強い。

 

場が別れる前の男女ということで、空気は険悪で重いが。輪郭のはっきりした初夏の描写や、若い登場人物の全力でぶつかり、悩み、うろたえる姿勢はむしろ清々しさを感じさせる。

 

とりあえず本棚に入れておいて、眠れない夜に手に取るとより楽しめる一冊

13冊目 感想『考える脚』 ”すべてを想定内で終わらせたい”極地探検家の徹底した計画力

13冊目は『考える脚 北極探検家が考えるリスクとカネと歩くこと』 著:荻田泰永

 概要

徒歩でソリを担ぐスタイルで極地を踏破する探検家。荻田氏の自伝

 

読んでみて オススメ度★★★★★

 

まず北極と南極へのイメージがガラッと変わった

本人曰く、南極は大陸だから歩けば必ず到着する退屈な出来レース

対して北極は海流に氷が流されるため、歩けど歩けどゴールが遠ざかって行ったり、氷の裂け目(リード)の為に、数十Km迂回せざるを得なかったり。最悪の場合、突然足元で氷が裂け、北極海に飲み込まれる可能性もある。

その辺のリアルな体験談だけでも一読の価値がある。

 

ただこの本はそれだけで終わらない。

「すべてを想定内で終わらせたい」

極地探検には常に命の危険が伴う。このリスクとどう向き合い、論理的に攻略していくかといった戦術はまさに”プロフェッショナル”。この徹底的な事前分析と計画が他の探検家と一線を画す部分だと思う。

 

「俺は今、危険な考え方をしているんじゃないだろうか」

さらに著者は極限状態で、自分の思考を俯瞰するスキルも並外れている。

北極では「どうやって達成するか」しか考えられなくなり、アクセルを踏むしかない暴走車のようだという。マイナス20度の世界を歩きながら時々、彼は自問する。「視野が狭くなっていないか」と。悩んだ末の最終的な判断基準はここでも”計画”であり、計画から大きく外れた時点で、想定外=危険な状況だから退く。といった具合に自身を制している。

 

さらに、「無理に歩を進めて成功したとしても、実力での成功とはいえない。ただ運が良かっただけ」と、熟練したトレーダーのような境地に達しているのは驚きだ

 

応援してくれる人がいる。それが見えないプレッシャーとなり、退くに退けなくなって一か八かの賭けにでて命を落とした探検家は多いと筆者は語る。

 

私たちの日常でもお金、人情は視界を曇らせる。

「視野が狭くなっていないか、心は平常か」、今一度立ち止まって考えるきっかけをこの本はくれるだろう。

12冊目 感想『革命前夜』 この国の人間関係は二つしかない。密告するか、しないか

12冊目は 『革命前夜』 著:須賀しのぶ

革命前夜 (文春文庫)

革命前夜 (文春文庫)

 

 

概要

時は冷戦、日本人のピアニスト眞山は自分の音を求め東ドイツへ音楽留学する。ベルリンの壁の向こう。教会で出会った美しいオルガニストに心惹かれるも、”こちら側”とは全く違う独特のルールと人間関係に翻弄されていく

 

読んでみて

オススメ度 ★★★★★ 

この本にはバッハを中心にたくさんのクラシック曲が登場する。

私は疎いので、場面場面でyoutubeで流しながら読んだが、これがまた新鮮で面白かった。お気に入りはBWV106


Lucas & Arthur Jussen – Bach: Gottes Zeit ist die allerbeste Zeit, BWV 106: 2a (Transcr. Kurtág)

 

「価値観なんて、たった一日で簡単に反転する」

異才のヴァイオリニストが放つ一言。

これこそ柔軟性の極地。このマインドだと思った。

今まで積み上げたものを簡単に否定し、受け入れ糧とできる。

 

昨日の常識は今日の非常識

超スピード社会で生き残るための最強スキルは「常に自信を疑い、変化できる」だと心に刻みたい

 

焔を守れ。もし焔を守らねば、思いもよらぬうちに、いともたやすく風が灯を吹き消してしまおう。汝、憐れ極まる魂よ、痛苦に黙し、引き裂かれるがよい

 

東の人間は豊かな西への思いを抱きながらも、政府の目があるので公にはできない。あるものはそれを諦め、果てに密告者となる。夢や想いは消してはならない。

サン・テグジュペリの『人間の土地』最後の一文にも似たような表現があった。

 

結局僕らは、一人で勝つしかないんだ

東ドイツに音楽留学に来る人間は、人生がかかっている。音楽で成功できなければ軍に入れられたり、家族を養っていけなくなる。このハングリーさが日本人には圧倒的に足りない気がしてならない

 

戦わなくてはならない。それは分かっている。だが、逃げ続けた僕には戦い方が分からない

全力を賭して戦ったことがあるか?といわれると多分ない。まだ全力でぶつかるのを無意識に避けている気がする。心にグサリ

 

残るもの、国を去るもの

どちらが正しく、どちらが卑劣かということはない。それでもやはり、選択を突き付けられた時、誰もが苦しみ、もう一方の道を選んだものに複雑な思いを抱く。

昨今のSNSなどは、「自分と同じ考え以外は敵」という短絡的な風潮が強い気がする。最近はスマホ検索すれば、すぐに答え(らしきもの)をくれるので、自分の頭で考えることが少なくなっていることも原因かと。

どのみち、白黒の二元論は苦しむだけだ