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【読書】7冊目『ボトルネック』 もしも自分の立ち位置に他人がいたら、、、

2021年あけましておめでとうございます。

 

7冊目は ボトルネック 著:米澤穂信

ジャンル:小説 ミステリー

 

ボトルネック(新潮文庫)

ボトルネック(新潮文庫)

 

 

概要

 

背表紙曰く「青春ミステリー」

金沢を舞台に、ひょんなことから主人公はGoToパラレルワールド。そこは自分が生まれることのなかったIF(もしも)の世界だった。

 

読んでみて(ネタバレ注意)

テンポが良く読みやすいが、テーマは非常に重い。

「間違い探し」

誰しも、一度は考えたことがあるのではないだろうか

「もしも私があいつだったら、、、、」

 

しかし、あまりにも馬鹿馬鹿しい仮定なので、真剣に考え抜いた人はそう多くないと思っている。

 

この小説はそんな「もしも自分が他人だったら」という馬鹿馬鹿しい仮定に対し、どこにでもある日常を通してそれぞれの世界を比較し、違いを少しずつ明確にしていく。

 

これだけの説明だといささかライトに感じるが、この小説の重いところは、明確な差を突き付けられた上で、自分はこのまま生きていくのか?という選択を迫られる点。

 

誰しもが持ちうる劣等感をピンポイントで打ち抜いてくる小説

 

▶本当の自分って何だ?

「今の自分の性格は本当に自分の性格なのか?」と問う

 

「当たり前じゃないか」

 

そんな答えが返ってくるだろう

 

しかし、環境が違えば性格も変わってくるハズ

もしも両親がいなかったら。学校に行くお金が無かったら。虐待を受けて育ったら、、、生まれたのがアメリカだったら、、、

 

「自分」と認識している性格は単なる「偶然の産物」でしかないことに気づく。

 

では先天的な性格と後天的な性格との境界はどこなのか??

 

頭の中はもうグルグルしている

 

ようやく一つの解釈にたどり着く。以下メモ程度

 

先天的性格=素材

後天的性格=加工

最終的な性格=制作物

 

例えば、金づちを作りたいとする

素材は鉄とアルミ

 

アルミの槌は軽くインパクトに欠ける

鉄の槌は重く、丈夫でしっかりと打ち込める

 

どちらも似たような成型は出来るが、出来上がった品は全く異なる

 

『適した素材×適した加工=優れた制作物』という構図。

脆い鋼で良い刀は作れない

ここがチグハグだと、性格的に「生きづらさ」を感じるのだろう。多分

 

もう少し考える。こうも考えられる。

先天的性格は『素材』=重い、軽い、固い、柔らかい、延びやすい、色、光沢、

後天的性格は『加工』=熱したり叩いたりして形を変えていく

 

話は変わるが、素材には弾性変形と塑性変形がある。ざっくりいうと以下の通り

弾性変形=ばねやゴムのイメージ。変形しても元に戻る

塑性変形=ばねやゴムを過度に引き延ばした場合、変形が元に戻らない

 

話を戻す。生きていると、環境や人間関係から様々な外力を受ける

成人にもなれば、性格が変わる機会はそう多くない。多少の外力はゴムのように弾性変形で吸収してしまう。しかしあまりに外力が強すぎる場合には性格がねじ曲がってしまうといった具合。反対に生まれてすぐは、素材は柔らかく成型しやすい。つまり幼少期の環境が性格に及ぼす影響は大きい。

 

じゃぁ、自分の素材はどんななんだろう。

 

またグルグルしてきた

 

とりあえずこの辺で勘弁してもらえないだろうか