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【読書】8冊目 『今夜、すべてのバーで』 

※ネタバレ注意

8冊目 『今夜、すべてのバーで』 著:中島らも

 

今夜、すベてのバーで (講談社文庫)

今夜、すベてのバーで (講談社文庫)

  • 作者:中島 らも
  • 発売日: 1994/03/04
  • メディア: 文庫
 

 

 概要

アル中の入院物語。

 

 

読んでみて

アルコールやドラッグ中毒の文献を読みながら、自分はまだ大丈夫だと言い聞かせながら酒を煽っていく主人公。気弱でありながらも、どこか自分事には考えられないのは非常に人間らしく、なんだかんだ読んでいて惹きつけられる

 

教養のない人間には酒を飲むことくらいしか残されていない。

教養とは学歴のことではなく「一人の時間をつぶせる技術」のことである

 

主人公は決して頭が悪いわけではない。

アルコールに関する医学的文献を読み漁る読解力はあるし、文学や哲学についても知識を披露する場面がある。

そこそこ頭の良い人間ならば、決してアルコールに骨まで浸してしまうことはしない。それにもかかわらず、アルコール中毒になってしまうのは自分に「教養」がないからだという理論を展開している。

 

そんな人間が強制入院で突如、膨大な時間と向き合う事となる。結果は半分見えているが、、、

 

 

私は実際に中毒者に会ったことはないため、この小説にどこまでリアリティがあるかは分からない。

 

只、この本を読む私も同様に思う。「自分はまだ大丈夫だ」と